アナトミートレイン解説①〜浅後線【SBL:Superficial Back Line】〜

アナトミートレイン

今回はアナトミートレインの中でもメジャーな、浅後線【SBL:Superficial Back Line】の経路、機能、治療への活かし方について解説していこうと思います。

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外観

ヒューマンアナトミーアトラス2019エディションより作成

SBLは足底から頭頂まで、人体の後面全体を結んでいます。

足趾から膝窩、膝窩から頭頂までの2部構成になっています。

なので、膝が伸びている時と曲がっている時とで、その張力や機能に差が生じます。

膝が伸展してハムストリングスと腓腹筋が連結することによって、1本の線になります。

一番強力に張力を発揮する姿勢(後面全体がストレッチされる姿勢)は、膝を伸ばした状態での前屈となります。

筋筋膜軌道

足底腱膜

腓腹筋/アキレス腱

ハムストリングス

仙結節靭帯

仙腰筋膜/脊柱起立筋

帽状腱膜/頭皮の筋膜

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機能

姿勢機能

全体的な姿勢機能としては、体を伸展状態に維持し、前方に屈曲するのを防ぐことにあります。

姿勢保持筋として持続的に収縮する筋肉が多く、筋繊維は遅筋線維が多いとされます。

また、強固な靭帯も多く含まれており(アキレス腱、ハムストリング腱、仙結節靭帯など)、これら人体の張力も、通常の立位姿勢の保持に大きく関わっています。

運動機能

全体的な運動機能は、全身の伸展、または過伸展です。

小児の発達段階で、腹這いから頭を持ち上げていけるようになるのは、SBLの機能が関与していると言われます。

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治療への応用

SBLは、連結の密度が濃く(強靭な靭帯、筋肉が関与している)、一箇所にある問題の影響が大きいと言われます。

例えば、ハムストリングスに硬さと痛みを認めた患者さんがいたとします。

SLRなどのストレッチを行いますが、なかなか効果が出ません。

そのような患者さんに対して、足底筋膜や頭頂の帽状腱膜をほぐすようにアプローチしてあげると、ハムストリングスの痛みが和らぐことがあります。

これはSBLの考え方から、関連する別の筋肉に問題があったと解釈できます。

またこのような方には、足底にテニスボールを少し強く押し付けながら転がすようなセルフストレッチをしてもらっても効果が見られます。

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最後に

このようにアナトミートレインの経路を知っておくと、問題点を個としてではなく、全身に波及して評価していくことができます。

臨床の視点においても有用な面があるので、大体の経路を覚えておくことをおすすめします。