アナトミートレイン解説②〜浅前線【SFL:Superficial Front Line】〜

アナトミートレイン

今回は、アナトミートレインの筋筋膜経線の一つ、浅前線【SFL:Superficial Front Line】の経路、機能、治療への応用について解説しようと思います。

スポンサーリンク

外観

ヒューマンアナトミーアトラス2019エディションから作成

SFLは、足趾から骨盤までと、骨盤から頭蓋までの2つの部分を接続します。これらによって、足先から頭蓋側面までの全身の前面を結合しています。

この経線もSBLの膝関節と同様に、股関節が伸展位になることで一本の統合された連続線となります。

股関節が屈曲位となると、この経線は上半身と下半身で分離することになります。

この経線を最大に伸張するには(全体をストレッチするには)、全身を過伸展しなければなりません。

筋筋膜経路

長趾伸筋、短趾伸筋、前脛骨筋、前下腿区画

膝蓋靭帯

大腿直筋/大腿四頭筋

(下前腸骨棘・恥骨結節を介して)

腹直筋

胸骨筋/胸肋筋膜

胸鎖乳突筋

頭皮の筋膜

スポンサーリンク

機能

姿勢機能

全体的な姿勢機能としては、SBLとのバランスを取ることです。SBLとSFLの張力が互いに拮抗し合っているため、直立した姿勢が保てます。張力のバランスが崩れてどちらかが高緊張になってしまうと、姿勢もそちら側に崩れてしまいます。

SBLに崩れればスウェイバック、SFLに崩れれば円背、といった感じです。

また、SFLは筋筋膜の張力により、人体前面の内臓などを保護する役割も備えています。

運動機能

SFLの全体的な運動機能としては、体幹と股関節の屈曲、膝関節の伸展と足の背屈を起こすことです。

また頭頚部においては、胸鎖乳突筋の作用により頚部屈曲・頭部伸展を起こします。

SBLが姿勢を保持するために遅筋線維が多かったのに対し、SFLは素早い運動に用いられる筋肉が多いため速筋線維が多い経線となっています。

メモ〜SBLとSFLは繋がっている〜

筋膜は「体全身を包んでいる一枚の膜」と称されています。経線のパターンによってそれぞれ名前が異なりますが、上記の考え方からすれば、経線同士も色んなところで繋がっています。

SBLとSFLも同様です。両経線共に、末端は足趾の末節骨です。筋肉で考えれば、末節骨で停止して終わりですが、筋膜は骨膜とも連結した部分があるためそのままつま先を回り込み、次の経線へと繋がっていきます。こうした繋がりがあるため、経線同士の影響も考えられるということになります。

経線同士の連結(足趾)
スポンサーリンク

臨床への応用

円背患者でよく見られる頭部前方位(ヘッドフォワード)ですが、胸鎖乳突筋にどうしても目がいきがちです。そこでSFLを知っておくと、関連する筋膜に対しての評価の幅が広がります。

また、腹直筋や胸鎖乳突筋の筋スパズムが、前脛骨筋を緩めることで改善することもあります。

なお、SFL全体をストレッチする方法でうつ伏せから体幹を反らせるストレッチがありますが、腰痛患者さんに対しては注意が必要です。

スポンサーリンク

最後に

筋膜経線を知っておくことで、リハビリの評価の幅がグンと広がります。

知識として知っておくことをオススメします。